政府が、農地の上に垂直農場や都市住民向けの農村滞在施設を簡単に設置できるようにするなど、農地規制を緩和すると発表しました。これにより、農業を先端化し、農村消滅に対応する構想です。また、開発制限区域（グリーンベルト）規制を緩和し、新産業のための用地を提供する意向も示しました。

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は21日、蔚山蔚州の蔚山展示コンベンションセンターで「再び大韓民国！蔚山と大韓民国の新たな飛躍」をテーマに「国民と共にする民生討論会」を開催しました。尹大統領は今年、政府機関の新年業務報告を現場で国民が参加する討論会形式で進行しており、この日は13回目の会議でした。

蔚山と大韓民国経済の新たな成長動力を模索するために用意された討論会で、尹大統領は農地規制を革新する意向を示しました。尹大統領は「12の中央官庁と地方自治体の土地利用規制の種類が336にも上る」と述べ、「全数調査を行い、時代の変化に追いつかない古い規制は迅速に改革する」と語りました。

まずは垂直農場の農地立地規制を緩和し、農業の先端化を推進するとしました。現在、農地にコンテナや建物型の垂直農場を建設するには、転用などの手続きを経る必要があります。尹大統領は冒頭発言で「垂直農場は農産物を生産するだけでなく、農業技術を輸出し高付加価値を創出できる」と述べ、「我が国で垂直農場を行うには、いちいち農地転用や他用途一時使用許可を取得しなければならないが、これらの規制を緩和する」と明らかにしました。

余った農業振興地域も解除することにしました。尹大統領は「農業用として価値が低下した余った農地の利用規制を緩和し、各種施設や垂直農場が入居できるようにする」とし、「目の前にあっても使えなかった土地に学校・病院などを建てれば、農村住民の生活の質が向上するだろう」と強調しました。

農地に都市住民向けの仮滞在空間を許可するという政府の構想もこの日公開されました。冒頭発言に続く討論会で、農林畜産食品部の関係者は「都市住民が農村に簡単に訪れることができるように、農村滞在空間を農地の上に設置できる方法を積極的に検討する」と述べました。

政府はグリーンベルト規制も大幅に緩和することにしました。尹大統領は「グリーンベルト解除の決定的な障害要因だった画一的な解除基準を20年ぶりに全面改編する」とし、「また鉄道駅や市街地周辺のグリーンベルトは、保存等級がどれほど高くても経済的に簡単に活用できるよう基準を設ける」と発表しました。

一部では、開発需要が農村に集中すれば、乱開発と過度な農地の損傷が発生するのではないかと懸念しています。金成達（キム・ソンダル）経済正義実践市民連合事務総長は「政府が最近進めている民生討論会は企業のための規制緩和ばかり」とし、「農地規制を大規模に緩和することがどうして民生対策になり得るのか」と反問しました。河原吾（ハ・ウォノ）全国農民会総連盟議長も「食糧主権確保を国政課題に掲げた尹錫悦政権がその基盤である農地規制を緩和するというのは本末転倒だ」と批判しました。

討論会に参加した農食部関係者は「農地は国民の食料を生産する基盤だが、国民の利益のために多様に活用されることができればその価値はさらに高まるだろう」とし、「良質な農地は体系的に保全するが、それ以外は国民のために役立つ方向で制度を改善する」と述べました。

出典：ヤン・ソクフン記者 shakun@nongmin.com

出典：https://www.nongmin.com/article/20240221500754